コラム
[2016年05月14日]
ステロイドなんか怖くない(2)
皮膚科を受診するとよく処方されるステロイド(副腎皮質ホルモン)の塗り薬、
処方されたけど心配であまり使用していない
本当に使っても大丈夫なの?
副作用が出たらどうしよう
長く使っているけど本当に大丈夫?
など心配する声をよく聞きます
本当のところどうなのでしょう?
答えはもちろん大丈夫です。大丈夫だから処方しているのです。
今まで皮膚科専門医が処方して問題があったケースは見たことがありません。
ただし指示通り使用すればという条件付です。
我々皮膚科医は医師になるとまず初めにステロイドの使い方を覚えます。
ステロイドが使えなければ皮膚科医として仕事になりません。
もちろん他にも勉強しなければいけないことはたくさんありますが、
ステロイドの使い方が治療の基本となるからです。
皮膚科専門医の資格は基本以外にたくさんの応用ができなければ
取れるものではありません。
逆に言えばステロイドを使いこなせないようでは皮膚科専門医は取れないのです。
今まで遭遇したステロイドのトラブルの例を挙げると、
皮膚科専門医以外で処方されていた
指示された場所以外に使用していた
指示された期間以上に長期にわたって使用していた
他人の薬を使用していた
勝手に使用を中止してしまった
ステロイドの副作用ではないのに副作用と思い込み民間療法などで悪化した
などです
ステロイドに限らず、薬は正しく使ってこそ「薬」としての効果を出しますし、
間違った使い方をすれば「毒」になります。
安心して医師の指示通り使いましょう。