コラム
[2008年07月06日]

名医


誰でも名医にかかりたいと思う気持ちは一緒だと思います。
名医はどうやって探せばいいのでしょう?
インターネット、近所の評判、雑誌・・・?

我々医師の間では「名医は患者によって作られる」と言われています。
どういうことかというと,実は受診の仕方次第で近所の医師が名医になることがあるのです。

病気を治すためには、まず正しい診断を下さなければなりません。
診断を下すというのはクイズを解くのと同じようなものです。
クイズを解くにはヒントが多い方が早く簡単に解けます。
ですから受診するときは医師にできるだけヒントを与えるようにすれば、簡単に解いてもらえます。

受診の際には以下の5つを意識しながら話すと相手にわかりやすいです。

(1)when:いつから
(2)where:どこが
(3)how :どんな風に
(4)why:何か思い当たることは
(5)what:既往歴は何かあるか
です。

具体的には(1)1週間前より(2)右足から始まって体に広がってきた(3)最初は痒くて赤いだけだったがジクジクするようになった(4)右足を虫に刺されて掻いていたら広がった気がする(5)特に大きな病気はなし
このように話していただければ診なくても「とびひ」かな?と判断の手助けになります

ですがせっかく意識してもわかりやすく説明しないと駄目です。
悪い例を示しますと
(1)ずっと前から
(2)顔が。でも化粧をしているのでわからないと思いますが・・・・・
「症状がわからないので化粧を落としてもらえませんか?」
これから出かけるので化粧は落とせません!
(3)痒くて
(4)他の病院に行ったけれども治らなくて。もらった薬は持ってこなかったのでわからない。でも、たまにしか使っていなかった。病名は言われたけど忘れた。そのあと市販の薬・・・これも種類忘れたけど何回か使用してみて良くなったような悪くなったような・・・・
(5)高血圧があります。飲んでる薬はあるけど・・・・、白い粒の薬を飲んでます。
(ほとんどの薬は白い粒なんですよね)

これはかなりの難問です。
症状も見れません。

問診表の記載も大切です。
問診表はあらかじめ診断のポイントを答えてもらうように作られていますので、できるだけ丁寧に書いておけば診察の時、話がスムースになりますし、聞いておきたいポイントも忘れずに説明を受けられます。

それから他の病院に受診したことを「悪いから」と思い内緒にされる方がいますが、
全然悪いことではありません。
医師は病気を当てて治す事が楽しいと思える人種なのです。
もともと勉強好きな人が多いですから・・・・・
ですから、他の病院に受診した事に腹を立てるのではなく、他の医師が「どういう診断を下したのか」とか、「どの治療法を選択したのか」に興味があり、またそれが診断や治療方針を決める手助けとなります。
ですから是非話していただいた方がいいと思います。
もし、腹を立てられてしまったら・・・・・・・・。
その医師は勉強が好きではなく、自分に自信がないので怒ってごまかしているのでしょう。

「黙って座ればぴたりと当たる」という事もありますが、大抵は上記のような手順を踏んで診断、治療します。

名医は探すものではなく自分で作るものなのです。
もちろん私も病気になったときは近所の病院を受診しますが(皮膚科以外ですよ)、できるだけ上記のポイントを実践し、良い治療を受けられるように努力しております。
皆様も上手に受診して、近所の病院を名医だらけにしましょう!