コラム
[2009年04月11日]

甲状腺の手術


先日ある医療雑誌を読んでいたところ甲状腺の手術についての記事が目にとまりました。内容を簡単にまとめると「甲状腺の腫瘍は若い女性に多いが、甲状腺は首前面の中央付近にあるため、手術をするとどうしても傷跡が残ってしまうという問題がある。通常は傷跡が目立たないように首の下部(付け根付近)を切開する。この方法だと襟の開いた服を着なければ傷跡は見えない。最近では内視鏡を用いて首から離れた部位(鎖骨の下や腋窩など)を切開し手術をすることができるようになり、襟の開いた服も着られるようになった。ただしその離れた部位の傷跡は残る)というものでした。
単に甲状腺腫瘍を治すだけでなく、その後の生活のことも考え様々な工夫を凝らす医師達の努力には敬服いたしました。甲状腺の真上を切開すれば術野もよく見えてやり易いはずなのに、わざわざ内視鏡を使って行うのは相当な技術が必要だと思います。

ところで以前某総合病院に勤務していた時に甲状腺腫瘍摘出後の傷跡につき担当医から相談されたことがありました。皮膚科医としての意見は(1)首には元々皺があるので傷跡を皺の様に見せかけることができる。(2)胸は体の中で最もケロイドになりやすい部位である の2点であり、甲状腺の真上を切ることにしました。
手術は甲状腺摘出は担当医が縫合は私が行いました。手術5年後の経過写真です。首の中央から右側にかけて7cm切開しましたが、周りの人には言わなければ気づかれないか、言ってもわからない状態になっています。
他の科とは別の視点から行った手術ですが、このような方法も一つの選択肢ではないかと思います。

手術5年後の経過写真









どこに傷跡があるかわかりますか?











同じ写真に印をつけました
矢印の部位が7cmの切開を行った所です

*日帰り手術は武蔵野市にあります武蔵境駅近くの「財満皮膚科クリニック」で行っております。

三鷹、吉祥寺、東小金井、武蔵小金井、国分寺をはじめ、三鷹市、西東京市、府中市、小金井市の病院、クリニックからたくさんの紹介をいただいております。

 



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